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? 生涯健康!質の高い医療体制の構築(医療)

?ビジョン


 

 医療崩壊の危機が言われて久しいが、一時期のように連日の救急、産科、小児医療の不足の報道が続くような事態を脱することはできた。しかし、まだ安心ができる状態とは言えない。ようやくこれらの急性期医療が最悪時期からの脱出期に入っているにすぎない。そしてこの回復を加速させるとともに、感染症や精神科、難病医療といった先進国の医療として日本が立ち遅れていた疾病分野の解決に動き出す時期が来たのである。更に団塊の世代が65歳を迎え、高齢者人口の拡大に東京都の医療資源を確保していかなくてはならない。 

 

 

?考え方・現状認識

 

 小泉改革は診療報酬を必要以上に縮小化させ、本来収益性が脆弱な産科や小児科の経営及び人材基盤を過剰に弱体化させてしまった。しかし、2009年の政権交代を境に民主党政権による2010年の診療報酬改定を頂点としての医療経済の立て直しにより徐々に医療体制に回復の兆しが出てきている。診療するほどに赤字になる病院外来報酬の改善や、小児科の準夜間診療の評価、出産一時金の増額といった顕著な不足が見られた医療形態の診療報酬等に手を加えたことが大きいと言える。
 また、東京都においても都立多摩総合医療センター及び多摩小児医療センターの開院に加え、都議会民主党による地域小児医療確保への配慮により多摩地域の小児医療は安定に向かっていると言える。また、東京ルールの導入や、医療クラークや医療ソーシャルワーカーといったコメディカルの再評価などがこの2年に集中して進んだことが大きいと言える。
 しかし、その一方でこれまで注目を集めなかった感染症医療が、新型インフルエンザ(H1N1型ウィルス他)の流行でパンデミック対策が国も地方も保健行政の大きな課題となった。また、障害分野との連携した課題として精神科医療の社会基盤を作らなくてはならなくなった。今や企業や行政の職員100人に1人の比率でうつ発症しているものの在宅支援体制や社会復帰システムの構築の道半ばである。
 

 

 

?施策

 

○東京都の実情に沿った施策の展開
・産科、小児科などの不採算性を解消します。(国・都補助金充実)
・医療分野、地域ごとの過不足を検証して、どこにどのような医療機能が不足しているのか明らかにし、数値目標を明示し、達成するための施策を検討・実施します。(国・都補助金等)

 

○救急搬送時間51.6分の大幅な短縮
  ・医師・看護師不足対策実施、コメディカルの増配置、医療機能の強化により、医師不在、患者集中による救急搬送の受入困難・不能を減らします。トリアージナース配置補助、救急搬送コーディネーター補助、医師分娩手当補助などを東京都において実現しました。国でも救急、産科小児科の立て直しを目的とした診療報酬改定が行われ、一歩ずつ前進しています。
 (○常時受け入れ可能な救急医療の構築、○救急病院の医師の確保等医療関連項目参照)
・2009年夏開始の「東京ルール」について登録医療機関の負担を検証し、持続可能なシステムとなるよう必要な場合は改善していきます。
・#7119(救急相談電話)の一層の活用を図り、不要不急の救急車利用を減らします。そのために、都民・患者にも軽微な傷病で救急病院や救急車を使わないルールや#7119(救急相談電話)をしっかり広報し、地域の救急医療機関に常に余裕を持たせるあらゆる努力をします。
・精神科特例等の為に精神科患者は搬送先選定が制約され、救急搬送時間がより長くなっている。平均搬送時間を延長させるだけでなく救急現場の負担が大きくなりがちな精神科救急の搬送システムを再構築することで、救急医療全体のスムーズなシステム運用を目指します。
・夜間の救急負担を軽減させるため、軽症患者、小児科患者の第1次救急を担う準夜間診療センターの未設置市区町村に引き続き設置補助を行っていきます。(未設置市区町村は設置を目指します)≪都&市区町村≫
・救急車の増車、救急隊の増強をはじめ、さまざまな対策を総合的に実施して、救急搬送時間を大幅に短縮します。全国平均以上の30分以内を目指します。

 

○リハビリの充実
 平成22年4月の診療報酬改定では、早期リハ、廃用症候群リハ、休日リハ、回復期リハ、がん・難病リハなどの評価充実、新設が実現しました。
 高齢者等長期にわたりリハビリテーションを必要とする方への、維持期の介護リハについても、都民の皆様が、医学的に必要十分なリハビリ医療をうけることができるように、取り組みます。

 

○療養病床の整備推進
 医療療養病床の削減、介護療養病床廃止の方針はストップしました。現在、介護療養病床の廃止は平成29年度末まで延長され、医療療養病床は機械的な削減は行わない方針となっています。
 特に、東京都では、高齢者単独世帯、高齢者のみ世帯の高齢者は平成17年の133万人から今後も増え続け、平成27年には178万人、平成47年には234万人と激増することが予測され(「東京都地域ケア体制整備構想」平成19年東京都)ています。
 さらに、東京都の医療療養病床では医療区分2が約半分を占める一方、介護療養病床には、医療区分2、3の方が約3割入院されており、(「慢性期入院医療の包括評価に関する調査」平成18年厚生労働省、「療養病床アンケート調査」平成18年各都道府県実施)なおかつ、介護療養病床の入院患者が平均年齢83.4歳、要介護度4と5の方で約9割(「療養病床転換意向アンケート調査」平成19年東京都)と要介護度、医療必要度ともに高くなっています。
 こうしたことをあわせて考えると、高齢者の希望に沿って、在宅ケアを充実する一方で、高齢者世帯の他高齢者独居が多いほか、胃婁や経管栄養といった医療ケアを必要とする患者を含めて、高齢者入所施設の不足が著しい東京都においては、介護保健施設整備、療養病床の整備が必要であり、整備に必要な施策を実施します。

 

○必要な病院の存続
 地域の中で重要な役割を果たしている公的病院をしっかり守り、必要な医療機能を確保します。

 

○安心して出産できる産科医療の実現
・現状、特に都市部の平均出産費用に見合った出産育児一時金を給付します。
  安いと言われる出産一時金。国の制度改革と連動し、合計65万円(国55万円+都10万円)にします。現行東京都の平均出産費用は56.5万円。民主党政権によって出産一時金が48万円に増額になりました。さらに基本額を上げるとともに都からの補助も含めて東京都平均を満たすようにします。妊婦健診の早期受診や望まない妊娠に対する早期相談を促すために、妊娠が確認(妊娠証明書)された人に対して、一時金の支給など、効果的な方法を検討します。
・助産師は、専門的な知識と技術に基づき、責任をもって正常な分娩を介助し、妊娠、産褥期のケアを行い、異常の早期発見や医学的措置をおこなうものであり、医師などと協働してケアを行う国家資格です。正常分娩を担う重要な場であり、助産院の広報や産後の新生児・乳幼児ケア、女性の性と生殖に関わる健康相談や教育活動機能への支援を行います。
・新生児訪問育成指導などに助産師を積極的に活用し、現役助産師の確保や技術維持を引き続き図ります。≪市区町村≫
・NICU(新生児集中治療室)を1.5倍に増やす目標が実現しました。
 NICU整備の基準は、平成2年当時の東京都内新生児数に対する2500グラム未満出生児率を元に定められ、以来改定されていませんでした。NICUの満床による妊婦の搬送受入困難を解決するために、まず必要であった、新生児の実態に合った整備目標を示すことができました。今後は、手厚い人員配置を必要とするNICUを従来の1.5倍整備し、機能させていくために、取り組みます。
・子ども基本計画を策定します。
 妊娠・出産・子育てにかかわる医療・福祉・教育に必要な施策、地域資源の大枠を示し、中長期的な実現を図るため、都民や専門家とともに子ども基本計画を作り上げます。例えば、産科医不足への対応としては、NICUの増設や産科医への手当、救急搬送の司令塔機能の設置などの医療機関への対策とあわせて、母子手帳や妊婦教室での#8000などの情報提供、妊婦健診の無料化により妊娠のリスク管理を向上させ、お産の救急を極力減らす、救急医療を受けた場合でも、地域の診療所と救急病院との連携を強化して、急性期を過ぎたら診療所による治療や在宅診療・支援、子育てヘルパーなどの関係施策と連携して安全安心を確保する、障害のある子どもを支援する療育センターや障害児保育、就学前の専門的指導と学校との連携といった、細かな施策までをリンクさせ全ての施策をより一層機能させること、不足するサービスの必要量を明確にし、どこをどれだけ強化すべきか、しっかり検討を行うことが必要です。

 

○常時受け入れ可能な救急医療の構築
・病院の協力を求めて、救命処置後の「病病連携」の転院システムを作ります。周辺病院や地域病院と連携努力をする支援職員を置くこと等により、「常時受け入れ可能な救急病院」を作ります。
・そのために都民・患者にも軽微な傷病で救急病院や救急車を使わないルールや#7119をしっかり広報し、地域の救急医療機関に常に余裕を持たせるあらゆる努力をします。

 

○医療の質向上と救急病院での医師確保
・医療クラークへの加算を充実しました。
 医師以外のコ・メディカルスタッフを充実して救急現場の疲弊をなくすため診療報酬を改定しました。平成22年度の改定では、クラーク15対1加算、20対1加算、を新設しました。25対1、等他の加算も点数アップしました。平成24年度の改定では、さらにきめ細かく30対1加算、40対1加算が新設されています。今後も救急現場の改善に取り組みます。
・トリアージナース配置補助、医師分娩取り扱い手当補助などを都が実施。国でも救急、産科小児科の立て直しを目的とした診療報酬改定が行われ、一歩ずつ前進しています。
 今後も、専門的能力の高いナースプラクティショナー、専門看護師、認定看護師の育成等、高度化、専門化した今日の医療にあわせた人材育成を進めます。
・午前は外来、午後は病棟、夜は救急当直、40時間不休の勤務といった環境による医師の過労は、医師の判断力と健康を損ね、診断される患者にとっても改善すべきものです。勤務医の報酬や就業環境向上のほか、救急病院での医業とそれ以外の分業を進め、医師や看護師が抱えていた仕事を、医療クラーク(医療現場での事務支援)、救急搬送コーディネーター(救急患者の受け入れ作業)のほか、医療ソーシャルワーカー(MSW:家族や経済面の相談)などを養成確保することで、医師の負担を極力減らします。
・市区町村が行う1次救急準夜・夜間診療所の運営支援を行って軽症患者の受け皿を用意します。≪市区町村 再掲≫
・首都圏内の大学および大学病院等において後期専門研修としてER課程を設置する場合に助成をおこないます。

 

○地域人材の確保と在宅医療の充実
・福祉の人材基盤にしっかり投資します
 急性期を過ぎてから、安心して在宅や介護系施設に移行できる環境整備が進まなければ、長期入院や社会的入院は減らず、ベッド数に余裕がなくなります。一方、在宅での介護が難しい家庭では、福祉サービスが不可欠。安心して退院できるよう、地域の福祉を充実させます。≪都&市区町村≫
・しっかりした労務環境で、福祉職を目指す若者をはじめ、多くの雇用を促します。
・訪問介護や特別養護老人ホームの介護人材の確保のための介護報酬アップとともに福祉人材の知識・技術向上研修や、老人保健施設・療養病床等の整備を支援します。
・地域連携クリティカルパスの普及(転退院支援)と在宅医療のネットワーク化を進めます。診療報酬の改定で3ヶ月過ぎると転院・退院を求められ、適切な受け皿がない、再度悪化した場合の入院先確保、在宅療養への不安などから、患者・家族、相談支援を行う医療ソーシャルワーカー(MSW)にとって、大きな悩みとなっています。転院先やリハビリ施設、介護保健施設、在宅支援事業所との連携、情報の共有化などを支援するとともに、幾つかの病院・診療所などが連携して、あらかじめ患者の状態に応じた計画を立て、協力して治療にあたるための地域連携クリティカルパスの普及や在宅医療のネットワーク化を支援します。
・患者・家族の療養生活を支えるため、訪問看護、訪問医療、緩和ケアなど在宅療養に必要な地域の基盤整備を支援します。また医師看護師以外の専門家である歯科医師、薬剤師、保健師なども協力して在宅療養や健康作りに取り組めるよう連携を推進します。
・高度小児医療機関の空床を生み出し、新たな患者の受け入れが可能となるよう、重度身体障害児施設や心身障害児施設、療育センターが必要になります。しかし、民間または個人で事業開設をしようとすれば、設置基準から看護師が必要ですが、確保が困難となっています。看護師の絶対数の不足の他、雇用しようとすれば高額な報酬を支払うだけの収益が必要となります。看護師の養成、特に継続的な勤務の可能性が高い男性看護師の養成も積極的に進める必要があります。
・同様に高齢者施設では小規模多機能施設や通所介護施設のような地域の施設においても看護師が設置基準から必要であり、極度の不足があります。更に島嶼での看護師不足は深刻であり、福祉事業所の運営危機の恐れがあります。現実に福祉資源量が不足しています。看護師の養成に加えて自治医大のような勤務地義務を課すしくみや、現行の診療所との連携で設置基準緩和ができるような検討を国に求めていきます。

 

○医師の確保
・2010年10月に発表された全国の勤務医師不足調査では全国8700施設の16万7000人に対し16000人の不足であり、十分な診療体制には更に6000人が必要とされている。医師不足は以前ほど報道されなくなったものの、医師不足が無くなったわけではありません。東京都は8%の医師増加で必要数は満たされるものの、他県では更なる増加をせねば満たされません。結果、他県との確保競争や報酬の高額化が進むでしょう。
・医師奨学金を拡充します。
 都は現在小児科や産科、へき地医療などに3年以上従事した場合に返還免除とする奨学金を実施しています。現在の医師不足に鑑み、この対象者を増やしていきます。
 高額な学費負担ができなくとも、医師の仕事に情熱を持つ多様な人材を確保するために、さらなる拡充を検討します。
・女性医師の就業継続を支援します。
 医師不足が顕著と言われている小児科、産科、麻酔科の医師のうち39歳未満の女性医師は、全国で約4割?5割であり、専門医としての修行期間でもある20代から30代にかけて、結婚・出産・子育てにより退職してしまうと、医師不足がより深刻となるおそれがあります。一度退職してしまうと復帰も困難となることから、子育て中の短時間勤務や研究職への配置換えなど、医師として働き続けられる両立支援策が必要。中でも保育所の不足は深刻であり、医師向けの保育所への支援や院内保育所の整備促進、保育手当補助など即効性のある支援策を実施します。

 

○看護師不足対策
・短時間勤務など働き方を見直します。(眠っている資格者の復帰支援)
 都立病院における看護師の男女比率は女性93%、男性7%であり、多くの病院は、女性の従事者が中心です。看護師は、夜勤があるなど勤務時間が不規則で、子育てや家庭との両立に困難をきたし続けられない、短時間なら復帰したいが正規職員としては働けないといった課題があります。短時間正職員制度導入など女性が働き続けられるよう取り組む病院への支援を拡充します。
  また、一度離職した看護師への復職支援研修については、延長も含めて必要な期間を検討するとともに、勤務先によっても異なる専門性に対応した研修についても支援します。
・看護師の専門性強化、定着支援に取り組みます。
 医療の高度専門化、医療安全対策の強化、患者の権利意識向上にともない、看護師に求められるスキルも複雑高度化しています。新卒看護師の離職率の高さも指摘されており、看護教育の年限延長も含め、医療の進歩に見合った専門教育機会の確保や処遇改善を確保するとともに、医療を取り扱うことのできるナース・プラクティショナーを導入します。また、男性看護師の参入をより一層進めるよう取り組みます。

 

○全国最悪のがん死亡率の改善
・国においては、国立大学法人・医療機構等による共同での臨床研究体制構築が実現しました。また、子宮頸がんワクチンは、東京都包括補助制度により区市町村を支援することとなり予算がつきました。また、国においても、子宮頸がんワクチンの助成と検診実施について検討が進んでいます。今後は、都包括補助制度のあり方について検討し、すべての都民が必要な制度を利用できるようにしていきます。
・がん対策推進計画の改定が行われ、検診受診率の目標値は引き続き50%とされました。今後も、全がんの死亡率を低下させるため、早期発見、早期治療体制を確立させます。
・受診率向上への取り組み
 受診率向上にエビデンスがあるとされる検診への助成と受診勧奨を強化していきます。特に、若い世代では忙しい、めんどくさいなどの理由で検診を受けない人が多いため、検診の必要性・有効性の普及啓発・広報を強化します。あわせて、検診を受けられる時間帯や曜日についても、働き盛り、子育て世代に配慮して、平日夕方や土日実施、託児サービス提供などより多くの方が受けやすい体制づくりをすすめます。中小企業での職場検診実施を増やすため取り組みます。あわせて、検診の対象者のリストに沿って自治体が受診の案内をきっちりと行い、受診していない人に対しては再度通知して受診を促す「コール・リコールシステム」の導入を検討します。
・がん手帳(東京都医療連携手帳)を適切に運用し、地域医療機関と拠点病院そして当事者間での治療情報の共有、治療の見通しなどがわかる、ていねいな説明が行われるようにします。
・精度の高い地域がん登録を実施して、がん対策を充実させます。
・女性特有のがん(乳がん・子宮がんなど)への取り組みとして、検診受診率向上に取り組みます。術後ケアへの支援(形成)についても検討します。
・不足している在宅医療、在宅緩和ケア提供体制整備についても積極的に支援します。
・がん医療を行うすべての病院に、緩和ケアの知識をもった医師がいて、治療の初期段階から、苦痛を軽減・管理し、よりよい療養生活が送れるようにするため、人材育成を行います。
・緩和ケアを推進するため、都民への知識普及をはかります。
・在宅やグループホーム等でも、緩和ケアが受けられ、家族や親しい人のそばで療養生活が送れるよう、がん拠点病院を中心とし、地域医療機関や診療所等がしっかりと連携した、地域ごとの緩和ケア提供体制をつくります。

 

○糖尿病対策の充実と健康づくり支援
・食生活の改善に取り組みます。
 糖尿病対策として栄養士会等に、管理栄養士・栄養士の人材バンク(東京栄養ケア・ステーション)を活用し、メタボリックシンドローム対策等も含めて、都民の皆さんの食生活を改善します。
・健康な歯と口内を保ち、健康づくりを進めるため、かかりつけ歯科医を持つこと、8020運動の推進支援、子どものときからの歯周病予防や検診実施に向けて取り組みます。
・栄養過多による内臓脂肪蓄積で発症する人の増加もあって、糖尿病患者は、都民で約2万人と推計されています(厚生労働省「患者調査」(平成23年))。三大合併症といわれる、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症になると、生活への影響も大きく、人工透析が必要になる原因の一位は糖尿病で、糖尿病による失明者は全国で年間3,000人といわれています。治療の中断、症状の放置をなくすため、自覚症状の少ない糖尿病の早期治療・継続治療を支援するかかりつけ医制度を推進します。
・糖尿病予防には、肥満解消、食生活の改善、適度な運動、お酒の飲み過ぎ・たばこの吸いすぎに注意する、ストレスをためないなど、生活改善が重要。生活改革応援団を作り、都民の健康作りを支援します。
・高齢になるほど死亡原因に占める肺炎の割合が高くなり、インフルエンザなどをきっかけとして肺炎を発症する場合が多いと言われています。効果が高いと言われるインフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンを併用した接種についても助成対象とします。

 

○新型インフルエンザ対策の万全な実施
・日中韓を中心に、東アジア全体で新型インフルエンザに対応できる体制をつくります。
・さらにタミフル・リレンザの備蓄を増強するとともに、病院が診療を続けられるよう、医療関係者や家族の予防服用も含めた薬の確保、防護服の十分な備蓄を進めます。(平成22年度までに、タミフル・リレンザは、それぞれ都民の人口1200万人の30%分ずつ、あわせて約60%となる約770万人分を備蓄しています。)
・都内医療施設での新型インフルエンザ対応策を進めます。特に免疫力の低下した他の入院患者への感染拡大を防ぐため、発熱外来の施設整備を進めます。また、強毒性の新型インフルエンザ発生に備えて、引き続き十分な医療体制整備を進めます。
・都民生活に不可欠な社会活動が維持されるよう、都庁と区市町村役所の業務継続体制構築とともに、民間企業と公共交通機関の新型インフルエンザ対応のBCP策定と業務継続支援を進めます。さらに、実践的な訓練を実施して、混乱を来さないよう備えます。
・2009年の市区町村の新型インフルエンザ対応の経験を活かすためにも、災害マニュアルの中に感染症対策をしっかり加えるとともに、ワクチンや治療薬の備蓄・流通情報や医療機関空床を東京都と各市区町村が密に連絡をとるネットワークを構築して住民パニックを回避できるようにする。≪都&市区町村≫

 

○安心の小児医療の実現
・小児医療体制を拡充します。(土曜・休日・夜間の小児科診療)
 身近な地域に、休日や夜間に診療する医療機関がないため、二次救急に軽症患者が溢れ、医師が疲弊し、救急医療が崩壊の危機に瀕しています。また、本来の役割である重症患者への対応が遅れる事態も起きかねません。
  子どもの発熱などは、元来夜間が多いことに加え、共働きや核家族が増えるなど、家庭の状況が変化していることに対応して、休日・夜間の小児診療を充実させることが必要。休日・夜間に土曜日も含めて都の支援対象とすることで、切れ目のない小児医療支援へと拡充します。
・地域の新規の産科・小児科の開設の環境を作り、地域医療を整備しなければ、益々救急病院に患者が殺到し、病院や勤務医・看護師の疲弊が広がってしまいます。産科・小児科など地域で不足する医療機能については、病床規制の例外を活用して積極的な整備を支援します。
・東京小児ER(子ども救命センター)
 小児の重篤患者を迅速に受け入れ、救命措置を速やかに行う小児医療施設の整備、小児救命の搬送体制が実現しました。また、特に小さな子どもは容態が急変しやすいために重要な小児トリアージができる人材育成・配置補助などへの支援も実現しました。今後も、高度医療(二次・三次救急医療機関)への初期救急機能併設や連携強化で、重症者を迅速に診る、常時受け入れ可能な小児救急医療制度を目指します。
・小児救急相談電話#8000
  現在、平日は午後5時から午後10時まで、土日や祝日は午前9時から午後5時の受付ですが、病院に行くべきか迷っても対処法がわからないなどのニーズが、より多く見込まれる時間帯にも拡大します。
 

○子どもが健やかに育つために(子どもとの相互参照)
・発達障害支援
 発達障害は、早期に本人と保護者が障害に気付き、適切な支援を受けることで、多くの問題が緩和されるため、そのための早期発見・相談・支援体制を構築します。
・小児の難病、がん患者、家族支援
・予防接種を充実させます。
 子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン(インフルエンザ菌b型)、小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化を実現し、その他の重要なワクチンについても定期接種化への方向付けをしました。今後も国に対して定期接種の拡大や新ワクチンの承認促進を働きかけ、接種を希望する人が地域間や経済的格差がなく受けることができるように求めていくとともに、副反応対策の強化や適切な情報収集・提供体制の構築などに取り組みます。
・養育困難家庭への支援
  マタニティブルー、産後うつが固定化してうつ病となる母親が現在増えています。乳幼児の養育が必要な大変な時期にうつ状態が続き、意図しない虐待・育児放棄のような状況が発生しています。精神疾患に対応可能な医師、保健師、看護師、精神保健福祉士の連携を軸に、児童相談所、区市の子ども家庭支援センター、さらには同センターが委託する養育支援の事業者において養育困難家庭への迅速な支援、児童保護手法だけにこだわらない救済計画の作成及びその人材確保を行いつつ、親の療養を促し、健全な療育環境への回帰を支援します。

 

○精神医療の地域システムの構築
・既に都内の身体及び知的障害者の合計数と同レベルの精神障害者数となっており、地域の精神医療体制の整備が急がれます。現在、国レベルと東京都による「待ちの姿勢」ではない未受診者支援の専門家自宅訪問型チーム「アウトリーチ」システムが試行されています。アウトリーチ試行実施を継続しつつ精神保健医療福祉審議会が発表した答申に基づき東京都は新規事業を展開していきます。
・病院からの退院促進支援事業を進めつつ過去の日本では整備が不十分のままであった精神患者への地域生活支援事業(地域生活支援センターやデイサービス、授産所、作業所、ホームヘルプサービス、訪問看護サービス)の整備が急がれるとともに、自立支援法に代わる新法によって障害者支援サービスの事業評価が国に望まれる。
・統合失調症が10歳代後半?30歳代前半に発症することは古くから言われている。また、ひきこもりの3分の1はうつ病を中心とした精神疾患と言われている。精神疾患の早期発見、早期治療が生涯を疾患に侵害されないためにも学校教育で、特に東京都で推奨できる都立高校で積極的に進めるべきである。
・100人に1人の発症率と言われる精神疾患に企業や行政体では早期に健康診断体制の他、職場復帰プログラムが求められている。特に東京都の教育庁の教職員の精神疾患発病は大きな課題である。早期にこの企業体等に推奨できる復帰プログラムを普及させる研究を東京都の医学研究機構等で進め、活用すべきである。
・保健所を持たない市町村では精神保健のスキルを市職員が維持向上させるのは苦労が多い。引き続き研修指導を精力的に行い、適格な対応ができるよう支援をしていく。≪都&市区町村≫

 

○難病患者支援
・現行の難病指定制度では、現在のような医療技術の発達による新規疾患の大量発見に対して認定が追いつかないとともに、対象疾患が増えすぎてしまい支援の財源確保に限界が出てきました。現代でも都民・国民の理解ができる難病指定の基準や手続きを公表するとともに、基準の在り方を現代向けに明確化します。
・難病指定に至らずとも、難病発症によって自立生活に必要なADLが保てなくなってしまった患者の為に介護保険または自立支援法なみの生活・身体支援ができる仕組みを整備していきます。
・難病指定を待たずして生存を左右するような高額な治療費について、高額療養費還付制度の基準改定(がん治療薬の長期処方が禁止されているため、3カ月以上処方薬の負担半減の制度が使えないなど)や、特定薬剤の認証などについて疾患、治療別に重要性と負担割合、効果を算定して推奨治療方法を絞り込み、支援を検討します。
・東京都大気汚染医療費助成制度については、制度の継続を国に対して働きかけるとともに、ぜん息に罹らない、発作を起こさないための総合的な支援をさらに充実していきます。

 

 


 


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