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都議会レポート 平成27(2015)3月

格差是正は都政の最重要課題だ

待機児童ゼロに向けた取り組みを

 

 平成27年第1回都議会定例会が、3月27日に閉会しました。

 今定例会では、舛添知事初の本格予算となる平成二27年度予算案などに対して、様々なテーマの議論を行いました。

 都議会民主党は、東京オリンピック・パラリンピックの大会計画や子育て環境の整備、非正規などの雇用対策、地域包括ケアシステムの構築、耐震化などの課題について、積極的に質疑・提案を行いました。皆様には本リポートへのご意見を賜りたく、お願い申し上げます。

 

 

格差を是正し

貧困の連鎖を断ち切れ

 

 平成25年度の都内の被保護世帯数は22万世帯と15年で倍増し、毎年増え続けています。

  また、格差の固定化が危惧されていることから、都議会民主党は、格差是正の取り組みが、東京の持続的成長にもつながる、最も重要な課題の一つだと訴えました。

 舛添知事は、格差が固定化し、再チャレンジもできない社会とならないよう、非正規雇用の正規化や高校中退者の就職への支援、子育てと仕事の両立などの課題に、積極的に取り組むと答弁しました。

 さらに、都議会民主党は、親から子へと貧困が連鎖している現状を断ち切ることが極めて重要だと強く求めました。

 知事は、貧困が世代を超えて連鎖をすることのないよう、区市と連携して、生活困窮者に対する総合的な支援体制の整備を進め、子どもの進学支援など様々な施策を一層推進すると答えました。

 都議会民主党は引き続き、格差是正や貧困の連鎖を断ち切る取り組みを進めてまいります。

 

 

あらゆる保育サービスで

待機児童の早期解消を図れ

 

 舛添知事は、二2017年度末までに都内で4万人分の保育サービスを供給すると述べています。

 都議会民主党は、生産年齢人口の都内流入の進展や共働き世帯の増加などで、待機児童が解消しないのではないかと懸念し、いかに取り組むのかを質しました。

 舛添知事は、様々な保育サービス支援策の実施に加えて、2015年度は保育士のキャリアアップを新たに始めるなど、待機児童の解消に向け、区市町村と連携し、全力で取り組むと答弁しました。

 

 

大会レガシーは都市の課題解決に

つながる東京モデルとせよ

 

 1964年に開催された東京オリンピックは、国民に希望と自信をもたらし、新幹線の整備など日本の発展に大きく寄与しました。

  都議会民主党は、2020年大会におけるレガシーが東京の様々な課題解決につながるものとなり、東京モデルとなることを期待していると舛添知事に訴えました。

 知事は、高齢者が生き生きと活躍する社会モデルや、水素社会の実証の場とするなど、2020年大会後に確かなレガシーを残し、東京の課題解決を加速化させ、世界の発展をリードすると答えました。

 

 

障害のある人もない人も

スポーツに親しむ社会の実現を

 

 都議会民主党は、東京大会が五年後に迫る中、障害者がスポーツに親しむ施設を増やすべきだと考えています。そこでパラリンピックの開催に向け、障害者も利用しやすいスポーツ施設ガイドラインを作るなど、身近な施設でスポーツが楽しめる機会をつくるべきと訴えました。

 都は、区市町村が行うスポーツ施設のバリアフリー化を支援するとともに、27年度からは障害者の利用に際し施設管理者が配慮すべき点をまとめたマニュアルを作成、周知すると答弁しました。

 

 

負の遺産とならない

新たな競技施設の整備を

 

 2020年ロンドン大会では、将来的な見通しが立つ競技会場のみを恒久施設として整備しました。

 都議会民主党は、葛西臨海公園に隣接するカヌースラローム会場やボート競技などを実施する東京臨海部の海の森水上競技場は、周辺との一体的な運営や様々な後利用を検討し、持続可能な施設とすべきと訴えました。

  都は、大会後にカヌースラローム会場が賑わいの拠点となり、海の森水上競技場は広く都民に親しまれる持続可能な施設として活用されるよう整備すると答えました。

 

 

2020年大会の文化レガシーは

東京ならではのものに

 

 都議会民主党は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化レガシーの検討において、デジタルアートなど先端技術を文化とつなげ、東京ならではのものにすべきと求めました。

  舛添知事は、デジタル技術やインターネットなどが芸術文化と結合することで、これまでにない芸術表現が生み出され、子どもなどにも新たな芸術の鑑賞・体験の機会が作られることになるため、東京が新たな芸術文化の創造拠点となるよう積極的に取り組むと答えました。

 

 

デング熱の感染・発症を抑える

研究開発の推進を

 

 昨夏、代々木公園を中心としてデング熱の国内感染事例が発生しました。今後の国内感染リスクを減らすために、国内外の感染・発症を抑える取り組みが必要です。

  そこで都議会民主党は、都が進めるデング熱予防ワクチンの実用化を目指し、世界のデング熱対策にも貢献するべきと訴えました。

 都は、デング熱が世界百ヵ国超で流行し、ワクチンが実用化されていないことから、新型インフルエンザワクチン開発を通じた技術を活用してデング熱ワクチンの研究開発に着手すると答えました。

 

 

児童虐待や事故等から

子どもの命を守る取り組み進めよ

 

 児童相談所など関係機関は、虐待に的確に対応するよう努力していますが死亡例も発生しています。

 そこで都議会民主党は、虐待や事故等で、これ以上尊く幼い命が失われないよう、子どもの命を守る取り組みを進めていくべきと訴えました。

 舛添知事は、後を絶たない虐待事件を防止するには、関係機関の力を束ね、全力を挙げて取り組んでいくと述べるとともに、子どもの事故防止には、家庭における危険の注意喚起や、事業者等と連携して安全な商品の普及などを進めていくと答弁しました。

 

 

不本意非正規労働者を

正規雇用化する取り組みを

 

 私たち都議会民主党は、就職氷河期世代と呼ばれる現在の中高年においては、正規雇用と非正規雇用との賃金格差も大きく、手厚い支援が必要であると考えています。

 そこで、不本意非正規労働者の正規雇用化に向けた都の取り組み強化を舛添知事に訴えました。

 知事は、明るい気持ちで生活するには安定した職業で生活基盤を築くことが第一であり、非正規が働く人の3分の1を超えている現状は尋常でないと述べ、不本意非正規者を2022年に半減させると答弁しました。

 

 

個別に見守りが必要な

児童の支援を進めよ

 

 小学校では、不登校やいじめ、発達障害、虐待など、個別に支援が必要な児童に学校や関係機関、地域が連携しながら学習指導やサポートを行っています。

 都議会民主党は、学校における問題の解決に向けて、家庭状況を把握し、児童を見守るなど個別支援を推進すべきと訴えました。

 都は、不登校や虐待など学校だけでは解決が困難な問題に直面しているとして、区市町村におけるスクールソーシャルワーカーの配置を拡充するなど、外部人材を活用した児童への個別支援を充実させると答弁しました。

 

 

平成27年度予算

7兆円に迫る

 

 平成27年度東京都一般会計予算の規模は、前年度比4.3%増の6兆9520億円となりました。

 しかし、報道などで踊る都税収入前年度比7.5%増という数字や、景気回復の言葉に対し、中小企業関係者からは、実感はないとの声も聞かれます。

  都議会民主党の質問に対して、知事は、中小企業や都民をめぐる社会経済状況は、いまだ厳しさを払拭できていないとした上で、中小企業の経営安定化支援に注力するほか、成長産業への参入や海外への販路開拓支援、起業、創業の促進など、日本経済の活性化にもつながる積極的な施策、さらには都独自の非正規雇用対策を実施し、3年間で1万5千人の正規雇用化を目指すことなどに、重点的に予算配分したと答弁しました。

 

 

東京都長期ビジョンは

五輪後も見据えた実効性を

 

 新しい長期ビジョンについて、都議会民主党は、2020年東京オリンピック・パラリンピックは通過点であり、その先のビジョンや都民の幸福を実現する道筋を明らかにするよう求めてきました。

 ビジョンと三カ年の実施計画には、多くの数値目標が盛り込まれました。しかし、財政的な裏付けや現状の数値、あるいは目標値が明確でないものも散見されることから、大胆な企画立案や、進捗状況の管理、PDCAサイクルに十分な効果をあげるため、計画の実行性を高めることを求めました。

  都は、3カ年の実施計画で事業費を示すとともに、目標を約三360項目数値化し、全庁を挙げて取り組むと答弁しました。

 

 

官民連携インフラファンド

新銀行東京の轍を踏むな!

 

 都が創設する、官民連携福祉インフラファンドは、子育て施設などの整備が目的とされています。

 ファンドという手法で、都が1千億円、民間が187億円出資してスタートし、3年で1千億近い累積赤字で実質破綻、その後都が400億円追加出資した新銀行東京の失敗を繰り返してはなりません。

 都議会民主党は、出資金毀損のリスクやチェック機能、責任の所在、そして報告方法が不明確では福祉関連施設整備の実績も不明、評価もできない等の問題を指摘し、上場企業の公開基準と同程度の情報を開示すべきと主張しました。

 都は、有限責任組合員である都の意向を全て反映することは困難だが、投融資案件はできる限り情報発信に努めると答弁しました。

 

 

子どもの声は騒音か?

環境確保条例の改正

 

 改正前は、音の種類を問わず騒音を規制していたため、保育園の子どもの声も規制されることが問題でした。保育園といえども、近隣への配慮は必要ですが、住宅街では、図書館のレベルを超えていけないのでは時代に合いません。

 そこで改正後は、保育園等の子どもの声を数値規制から除外し、受忍限度で総合的な判断を行うこととなりました。

 都議会民主党は、今回の改正で、子どもがのびのびと育つ子育て環境整備を進めるよう求めました。

 知事は、相互の理解を深め、信頼関係を構築することが大事、とし、話し合いやコミュニケーションを通じて騒音問題の解決に資する制度とする、と答弁しました。

 

 

地域包括ケア体制

暮らしの場を整備せよ

 

 2020年までに75歳以上の高齢者が67万人増加すると見込まれています。自分らしい暮らしを人生の最後まで続ける、地域包括ケアシステムには、希望や資力に合った暮らしの場が欠かせません。しかし、都が長期ビジョンの実施計画で示した3カ年の整備目標は、特養は5900人、認知症グループホームは3200人、サービス付き高齢者向け住宅等は6200戸でした。

 そこで都議会民主党は、地域で安心して暮らせる環境等を一層整備するよう求めました。

 都は、区市町村が算定したサービス見込み量等を踏まえ、整備目標を示した、今後も、高齢者が安心して地域で暮らせる環境整備を進める、と答弁しました。

 

 

犯罪被害者等基本法施行10年

東京都支援条例の制定を

 

 現在、犯罪被害の当事者・支援団体が被害者視点の条例案を作成し、全国の自治体に条例制定を求めています。こうした現状を鑑みて、知事に条例制定の要否検討を含め、犯罪被害者支援に対する所見を求めました。

 知事は、条例制定には様々な意見がある、来年度第3期の支援計画を作成し、被害者の立ち場で施策を実施すると答弁しました。

 また、来年度は性犯罪・性暴力被害者への支援を新たに行うなどの施策の充実や、次期計画では、各施策の達成目標の設定や実施年度の明記などに心がけ、被害当事者や支援団体の意見を積極的に取り入れるべきである、と主張しました。

 

 

耐震化100%達成に向け

全力を!

 

 特定緊急輸送道路は、震災時にも決して閉塞が許されない、特に重要性の高い道路です。都の条例に基づいて、沿道の建築物の耐震診断・耐震改修が求められ、手厚い助成制度も創設されています。

 既に、対象建築物の約89%が耐震診断を実施、または着手済みですが、今後は、困難事例への取り組みも含め、100%耐震化に向けての取り組みを求めました。

  都は、区市が期限を示して指示しても、耐震診断しない建築物を公表したが、公表前の督促で、予定件数の3割が診断に着手したことを明らかにしました。

 また、現時点で未診断の約500の建物所有者への戸別訪問、助成期限の延長、アドバイザー派遣、営業継続中でも可能な工法の提案など、粘り強く取り組むと答弁しました。

 

 

多摩から羽田へのアクセス

課題の改善を求める!

 

 多摩地域から羽田空港へのアクセスには大きな課題があります。特に鉄道で羽田空港を利用する際には、都心駅で乗り換え、更に乗り換えて、平均で1時間半はかかります。

  多摩400万都民は勿論、国内外からの観光やビジネス客にも非常に不便であり、早急に改善すべき重要課題です。

 そこで、多摩地域から羽田空港へのアクセスの向上について、都の認識を質しました。

都は、鉄道ネットワークについて、多摩地域も含めて検討を進めており、空港アクセスの向上は重要な課題としている、と答弁しました。

 

花粉の少ない森づくり

今後10年継続

 

 都は、林業を行う生産型森林に対し、平成十18から10年計画で、杉の木を切ったり花粉の少ない種類への植え替えを実施して、花粉の少ない森を進めてきました。

 都議会民主党は、計画の最終年が近づいている中、花粉の少ない森づくりや森林循環の維持には、これからも継続して取り組む必要があると考え、知事の認識を問いました。

 知事は、花粉の少ない森への移行を行う事業を、担い手対策とも合わせて、しっかりと継続していくと答弁しました。

 

 

水素エネルギーの

活用促進に

 

 国内資源が乏しく、エネルギーの大部分を海外の化石燃料に依存している我が国にとって、多様な資源から製造できる水素の普及は、エネルギーの安全保障の面から有望です。

  再生可能エネルギーや余剰電力でつくった水素をためて、必要なときに燃料電池を稼働すれば、電力貯蔵も可能となります。

  水素自動車の普及には、ステーション整備が不可欠ですが、燃料電池車の普及初期には経営も安定しないため、しっかりと支援する必要があると主張しました。

  都は、本格的な普及には水素ステーションの整備促進が必要であるとした上で、国補助と合わせ、設置・運営費負担を軽減する都独自の補助制度を創設すると答弁しました。


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