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都議会レポート

都議会レポート 平成20(2008)年4月

平成20年第1回定例会号

平成20(2008)年4月


 

石原銀行へ四〇〇億円の追加出資 

民主は断固反対。自公賛成で可決    

 

 平成二十年第一回定例会が、三月二十八日に閉会しました。

 今定例会は、十三兆円規模の東京都予算案が提案されるとともに、道路特定財源、法人事業税国税化、八ッ場ダム、耐震化促進、食の安全、救急医療など山積する都政の重要課題が争点となる見込みでしたが、二月二十日、新銀行東京への追加出資四百億円の補正予算案が突然提出され、この問題を中心に長時間にわたり審議を行いました。

 都議会民主党は、その意義や新銀行東京が示した再建計画、これまでの経営状況などについて、多くの関係者や専門家への調査活動を実施し、石原知事の責任、都の監視責任について厳しく追及しました。

 また、新銀行東京の審議に多くの時間を取られながらも、都民生活に密着した都政の重要課題について、石原知事を質し、さまざまな政策提案を行いました。

   


   

知事「新銀行」で弁明に終始

旧経営陣に責任押し付け

 

 都民の税金一〇〇〇億円を投入し、平成十七年四月に開業した新銀行東京は、開業後わずか三年で一〇一六億円の累積赤字を出し、石原知事は、四〇〇億円の追加出資を余儀なくされました。

 しかし、石原知事は、失敗の責任を旧経営陣に一方的に押し付け「私が社長なら、もっと大きな銀行にした」と述べるなど、反省のかけらも見られません。

 民主党は、四年前の予算議会で、再出資をしないことや適切な監視を行うことなどをの条件を付けて、新銀行設立に賛成しましたが、今回の追加出資は、民主党との約束を破るもので到底認められません。また、二年も前から「売却も含めた検討」を提言してきたにもかかわらず、適切な監視を怠ってきた知事の責任は重いと考えています。

 さらに、石原知事は「新銀行が行き詰まった場合、融資先の一万三千社に重大な影響を及ぼす」と強調していますが、同じ理由で、他の金融機関に出資するのかという民主党の質問に、NOと答えるなど、新銀行だけの特別の出資であることを認めています。

 民主党は、追加出資に反対するとともに、都民に一番負担の少ない形で、新銀行から撤退するために、金融庁の検査や受け皿機関の模索などを求めています。


公共事業は必要性から検証を!

-八ッ場ダム工期延長問題-

 

 八ッ場ダムの工期が五年間延長され、都が本来必要としていた平成二十五年度末には完成しないことが明らかになりました。

 民主党は、今後の事業費増額や工期再延長についてリスクを抱えていること、独自の試算では都の水需要予測量が過大であることなどを指摘。この機会に新たなデータを基に水需要の再予測を強く求めましたが、都は拒否しました。

 このため、ダム事業の必要性からの再検証が不十分なまま計画変更に安易に同意すべきではないとして、議案に反対しました。


道路特財の暫定税率は廃止せよ

自動車に依存しない東京へ

 

 道路特定財源は、戦後の経済復興期に導入されましたが、半世紀以上が経った今日、その意義は薄れ、自動車ユーザーの利便性と関係のないものに使われる等矛盾した制度になっています。

 民主党は、これを聖域化せず、自動車諸税を「地球温暖化対策税」等に再編成するため、道路特定財源を一般財源化して、暫定税率を廃止する考えです。また地方道路の財源も示しています。

 石原知事は一般財源化に絶対反対の立場ですが、民主党は、自動車に過度に依存しない社会への脱却等、新たな道路・交通政策の展開の必要を訴えました。


急げ建物の耐震化

目標達成に向け制度の改善を!

 

 都は今年度から緊急輸送道路沿道の民間建物について耐震化のモデル事業を実施していますが、耐震診断と補強設計の助成申請がわずかに九件、耐震改修は全く利用されていません。

 住宅の耐震化も、十九年度は耐震診断・耐震改修ともに前年度の利用実績を上回ってはいますが、予算を消化しきるペースにはほど遠いのが現状です。

 民主党は、制度が利用されない原因を正確に把握・分析した上で、都独自の制度として改善していくことを求めています。


二〇一六年東京五輪招致賛成

六〇%は、高いか、低いか?

 

 東京オリンピック招致委員会は、今年一月、IOCに「申請ファイル」を提出しました。七都市で競われる二〇一六年招致は、六月に五都市程度に絞られます。

 各都市における支持を見ると、東京の招致賛成は六〇%と立候補他都市と比較して低い結果となっています。二〇一二年に招致していたロンドンやパリ、ニューヨークよりも、東京は低い支持率でした。

 東京招致がこの様に盛り上がらない理由は、都民の主な支持理由が「経済効果が見込める」であり、都が、スポーツと平和の祭典であるオリンピックを招致するというオリンピックムーブメントの根本的な意義を都民に十分伝えていないからです。そこで改めて、民主党は、都に、他の六都市に勝る東京オリンピックの開催理念の策定を求めました。


知事は国との妥協を反省し、

分権改革に取り組め

 

 地方分権に関しては、国の「分権改革推進委員会」が、今春から「勧告」を行い、来年秋には国が新分権一括法案を提出する等、動きを加速させていきます。

 そこで都議会民主党は、分権に逆行する国の地方法人特別税制度を受入れた石原知事に、この汚名をどうやって挽回し、分権に取り組んでいくのかと質しましたが、知事は、国の分権に対する理解不足を批判するだけでした。

 また、道州制の議論も進み、国の「道州制ビジョン懇談会」は、概ね十年後をメドに移行するとした中間報告を発表しています。

 民主党は、制度導入に当たっては、地方も自立的で持続可能な「国のあり方」やビジョンを構想し、首都圏など地域の実態を踏まえた枠組みの実現に向けて取り組むことが重要だと主張しています。


税収過去最高も、課題が山積

平成二十年度東京都予算

 

 二十年度東京都予算案は、都政史上最高の都税収入を受け、一般会計は六兆八五六〇億円の規模となりました。

 都は、中期計画の実現に向けた取り組みを行うとともに、山積する諸課題として、景気減速や六〇〇〇億円を超える地方法人特別税制度での減収、オリンピック招致、社会資本更新経費等を挙げ、基金の積極的な積み立てを進め、対応に「備え」る姿勢を強めています。

 しかし民主党は、都の取り組みが不十分な点として、震災対策の促進や自立を目指した低所得者対策、小児科医をはじめとする医師不足対策、メディアリテラシー教育などを挙げるとともに、付帯決議を提案しました。

 また、社会状況が変化しても、都民ニーズに対応できる財政基盤の構築も求めています。


介護施設の全国最下位脱出へ!

人手不足対策と十分な報酬を

 

 昨年は、次々と起きた介護保険に関連した事件から、介護人材の不足、介護事業者の低い採算性、介護従事者の低い報酬など、問題点が鮮明になった年でした。

 迎える平成二十年度は、緊急の取り組みとして、十年後・二十年後、三人に一人が高齢者になる時代にどう備えるかが、待ったなしの時期に来ています。

 民主党は、全国最下位である介護保険施設の整備促進、地域生活基盤の整備促進、介護従事者の適切な給与水準確保に、都として独自の取り組みを求めました。


救急医療の崩壊阻止!

子どもの救急医療対策充実を

 

 病院勤務医師の激務緩和、負担軽減についても、待ったなしの状況です。民主党が提案した、医療クラーク(医師の事務補助者)、トリアージ(病状の緊急度を判断すること)の導入は、平成二〇年度予算において事業化されました。

 トリアージにあわせたプライマリケア(一般医・家庭医が提供する医療)の提供も求めましたが、都は消極的な姿勢に終始しました。特に子どもは病状が変わりやすく、体力もないため、受診前の判断を求めるよりは、万が一にも手遅れにさせないために、診察方法を考えるべきと、強く求めました。


ストップ!「デートDV」

   

 恋人の間で起きる、ドメスティックバイオレンス(デートDV)は、思春期・青年期の特徴的な心理や性意識、行動が影響していると言われます。恋愛経験が少ないため、漫画やドラマに影響を受けて、束縛がロマンチックな愛情だと思い違いをする、あるいは恋人がいないよりましだ、と我慢するなどDVと気付かない場合も多くあります。

 民主党は、被害者が暴力に気付くことから、相談対応までの一貫した対策が重要であると考え、都に対策を求めました。都は「東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議を活用する」と述べるに止まり、課題を残しました。


学校と企業との連携で

障害者雇用の促進を

 

 発達障害など障害が軽い生徒を対象にした特別支援学校では、生徒の就労支援に取り組んでいます。 現状では、中小企業を含む経営者団体と連携した実習先の確保や就労支援体制、現在は学校単位で受けられない寄付金の受け皿作りなどが、極めて重要な検討項目であると主張しました。

 教育庁は、知事部局との連携を一層強化し、多くの企業を対象としたセミナーの開催、経営者団体への働きかけ、新たに民間を活用し就労先の企業開拓を行うと答弁。

 また、東京都関係で障害者雇用率の未達成について、国から勧告を受けている教育庁、消防庁、警視庁の法定雇用率達成に向けた取り組みを求めました。

 都は、一般企業に障害者雇用の促進、雇用率の達成を指導する立場にあることから、早急な取り組みが必要です。


中国製冷凍餃子事件

食の安全確保にすぐ取り組め

 

 中国産冷凍餃子への農薬混入で、千葉県・兵庫県で中毒事件が発生しました。警察が捜査を続けていますが、故意であれば他の国でも、国内でも発生しうる事態です。

 この事件で、これまで日本の食品安全行政では、こうした事件を想定した対応策がなかったことが浮き彫りになりました。

 民主党は、医療関係者からの迅速な情報提供、迅速なリコールによる、被害を最小化する手順の徹底、被害が都道府県域を超えて拡散して発生した場合の広域的な情報集約といった課題を質しました。


動物愛護の視点で

殺処分は麻酔薬に変更を

 

 都では、年間約七千頭の動物を炭酸ガスによって殺処分しています。この方法では、小さな動物は死亡までの時間が長くかかること、動物に恐怖心を与えることが課題となっています。

 そこで、民主党は、麻酔薬による安楽死へと殺処分方法の変更を、都に求めました。

 同時に、直接注射することになる獣医師のケアや、一日あたりの処分頭数の規定づくりなど、必要な対策についても求めています。

 さらに、動物の終生飼養のため、飼い主が病気になったり、不幸にして亡くなった場合の対応など、地域社会の中で高齢者等の動物飼育を公開的に支援していく方策を要求しました。


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