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東京改革議員団、豊洲問題調査で明らかになった事実、再発防止策を述べる。

 

 

 

 5月24日(水)、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会(百条委員会)が開会し、酒井大史副委員長(立川市選出)が、百条委員会に付託された調査事項について、延べ24名、23時間にわたる証人尋問や、119箱にのぼる提出記録などを調査した結果、現在、明らかになった事実、更に諸問題に対する再発防止策を述べました(上記写真は「意見開陳を行う酒井副委員長」。全文は下記参照)。

 

 

 築地市場の豊洲移転は石原慎太郎元知事の就任時には既定路線ではなく、石原都政において移転を推進させていったことや、なぜ豊洲が移転候補地となったのか、石原元知事と上原元東京ガス社長との直接会談が行われていたこと、石原元知事によって豊洲移転の最終決断が行われたこと、東京都と東京ガスとの間の土地売買・土壌汚染追加負担などの交渉の実態、豊洲市場建物下になぜ盛り土がなかったのかの経過などの諸問題について述べ、再発防止策と改めて東京都に都民へ「東京ガスとの協議」の総括などの説明を行うことを求めました。

 

 

 東京改革議員団は、豊洲市場移転問題の調査で明らかになった諸問題を再発させないよう、都が公文書管理条例の制定など対策に取り組むことを求めるとともに、都民の安全・安心が最優先との立場から、追加対策の実施や情報公開の徹底、都民の理解と納得なくして、豊洲市場の移転はあり得ないと考え、取り組みを進めていきます。

 

 

 

 

 

豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会意見開陳
                                        


                                                                                                                         副委員長 酒井 大史

 

 

 私は、東京改革議員団を代表して、豊洲市場移転問題に関する調査特別委員会に付託された調査事項について、浜渦武生元副知事が築地市場の移転に関する実質の最高決定権者であり続けながら、平成13年7月以降の関与を一切否定しているため、その責任を追及するとともに、その他の諸問題の真相を都民に明らかにする立場から、意見の開陳を行います。
 本委員会は、豊洲市場に関する諸問題である、東京都における意思決定の経緯や東京ガスなどとの交渉、土地売買の経緯などを調査するために、2月22日に、本会議において全会派一致で設置されたものです。
 浜渦元副知事は、石原都政において知事本局や中央卸売市場を所管する副知事で、実質の最高決定権者でした。また、浜渦元副知事は、豊洲に市場用地を取得するために、東京ガスの要請に伴って、水面下交渉を受け入れ、都庁全体に東京ガスに「損をさせない仕組みづくり」の構築を指示し、減価や支援策などによる譲歩や利益供与を実行し、都民に大きな負担をかけてきたにも関わらず、本委員会における我が会派理事からの尋問で「平成13年の合意の後、東京ガスや豊洲市場の案件に関わってはいないという話がありましたが、これに間違いはありませんか」と問われたところ、浜渦元副知事は「基本合意以降のことは私は存じません」と答弁しました。
 そのため、東京改革議員団は、全証人尋問の証言を読み込み、また、119箱の提出記録の中から、浜渦元副知事の偽証を証明する記述を複数確認して、本委員会に提出しております。浜渦元副知事が本委員会における諸問題の真相究明を妨げたと考え、偽証認定の協議を進めて、告発も視野に入れるなど、厳正に対処していくべきだと申し上げます。
 それでは、これまでの調査事項に対する調査結果から、現在までに明らかになった事実、更に諸問題に対する再発防止策について述べてまいります。

 

 

 まずは、築地市場の豊洲移転が石原元知事就任時に既定路線であったのか、なぜ豊洲が移転候補地となったのかについて述べます。
 石原元知事は就任当初、青島元知事からの「引き継ぎ事項の文書の中に、豊洲地域に市場を移転する文言があって、築地市場の豊洲移転の方針が既定路線であった」と述べていますが、私たちが調べたところ、知事事務引継書には移転の文言はありません。説明をしたとされる福永元副知事も「私は豊洲で決まったというような発言はしていません」と証言しています。さらに、石原都政で中央卸売市場長に就任した大矢元市場長も「少なくとも私が赴任する段階では、既定路線であったというのは知事は何か誤解している」と証言し、平成11年当初、築地市場を豊洲へ移転させることは、都において既定路線ではなかった、石原都政において移転を推進させていったことが分かりました。
 豊洲が初めて築地市場の移転候補地となったのは、平成7年、バブル崩壊後の地価下落によって臨海副都心開発事業会計が悪化、破綻に瀕していた時です。都港湾局が、豊洲へ築地市場を移転する構想を掲げ、臨海副都心開発事業に一般財源を投入しやすくなる案を考えました。都が非公式に東京ガスに移転案を打診したところ、東京ガスに「これまでの豊洲開発協議を根本的に覆すもので受け入れられない」と断られました。
 しかし、平成10年には築地市場業界から臨海部移転の調査要望を受けて、都が調査を実施し、平成11年、福永元副知事、大矢元市場長が石原元知事の命令で東京ガスに土地取得交渉依頼を行い、平成12年に浜渦元副知事、赤星元政策報道室理事に引き継がれました。
 東京ガスは、都に対して「豊洲・晴海開発整備計画」が進んでいることから、水面下での交渉を求め、浜渦元副知事は、石原元知事からの至上命令、豊洲に市場用地を取得するために、水面下交渉を受け入れ、都庁全体に東京ガスに「損をさせない仕組みづくり」の構築を指示しました。東京ガスが都と土地取得の協議を行う上での条件は、平成10年の豊洲地区開発整備に係る基本合意時の開発利益と事業採算性を確保することでした。
 これが後々まで、都が、東京ガス側に豊洲開発負担において譲歩をし続け、石炭ガス工場跡地でベンゼンやヒ素などで汚染された土地を高値で購入し、新市場の安全・安心を担保するために法令を超えた莫大な費用による土壌汚染対策に取り組まねばならなくなった原因だと考えます。

 

 

 次に、平成11年11月の石原元知事、上原元東京ガス社長の直接会談と、平成22年の石原元知事による豊洲移転の決断について述べます。
 我が会派の事前調査によって、元知事と元東京ガス社長が直接会談を行っていたことが分かりました。証人尋問で大矢元市場長は『「知事が上原社長に会ったことは聞いた」、知事から築地市場の移転を東京ガスに「お願いに行け」と指示され、当時、福永副知事と訪問した』と証言しました。当事者である石原元知事に尋問し、当時、「知事が東京ガス社長に会ったと議会で答弁している」と述べたところ、「詳細には覚えていません」と会ったことは覚えていると証言を修正しました。
 石原都政における移転交渉の発端として、石原元知事と上原元東京ガス社長のトップ会談があり、平成22年の市場移転の最終決断についても、石原元知事が「私が判断した」と証言して、石原元知事が自ら責任を持って決断したことが確認されたことから、豊洲移転の最高責任者は石原元知事であったことが改めて分かりました。
 また、都が提出した石原元知事に対する豊洲新市場に関するブリーフィング資料においては、「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について」や、「土壌汚染対策に関する東京ガス株式会社の負担について」、「新市場の用地取得と土壌汚染対策に関する東京ガスとの負担合意について」などの資料によって、石原元知事に事前に報告されていたことが分かりました。
 しかしながら、昨年秋の「東京都から石原元知事への質問書」に対する石原元知事の回答では、土壌汚染対策に関する東京ガスの追加負担や用地買収価格について、石原元知事は「判断を求められたことはありません」と明確に回答しているにも関わらず、3月20日の証人尋問においては「詳細のことについては記憶にございません」「覚えていません」と答え、事実と異なった不明瞭な証言をしていることから、豊洲移転に関する真相を解明する本委員会の活動に対して、石原元知事は、真摯に協力しているとは思えない、責任回避であり、その責任は重いと申し上げておきます。

 

 

 次に、東京都と東京ガスとの豊洲の土地取得、土壌汚染対策交渉について述べます。
 石原元知事は、濵渦元副知事に「一任していた」と述べ、濵渦元副知事は平成13年の「基本合意以降のことは存じません」と証言しました。
 しかしながら、平成15年3月、都環境局が濱渦元副知事に東京ガスとの土壌汚染対策交渉について報告し、濱渦元副知事は「操業由来の汚染は東京ガスに処理させる」ことを指示しています。
 その後、東京ガスは「そもそも、市場の移転は濱渦副知事を含めた話であり、そのために土地を売却するものであるから、今の土壌汚染処理計画が不満なら話が白紙に戻る」と、豊洲への市場移転を白紙撤回も辞さないとした発言を行い、知事本部と環境局、中央卸売市場の3部長が、濵渦元副知事に指示を仰ぐ文書を作成し相談を行っていますが、濱渦元副知事は「記憶にございません」と否認しました。
 平成17年、都と東京ガスは「土壌処理に関する確認書」を合意しました。この合意内容についても、濱渦元副知事に上げられていたとの前川元知事本局長による証言があります。石原元知事が週に2、3日しか登庁しない中、濱渦元副知事が、豊洲問題についても所管局を超えて部課長を指揮していた実態が明らかになりましたが、濵渦元副知事が認めないことから、本委員会における問題の真相究明を妨げる行為であると強く断ずるものです。

 

 

 次に、豊洲の土地売買と東京ガスの土壌汚染追加負担について述べます。
 東京ガスが土壌汚染対策を行った豊洲の土壌から、環境基準4万3000倍のベンゼンが検出されたため、都が東京ガスに、土壌汚染対策の追加負担を申し入れたところ、東京ガスは、法令に基づき対策を行ったため、瑕疵担保を免責することと、追加負担には割増を含むこと、都が今後追加請求を行わないことを求めました。
 そこで都は、17年確認書による法的責任を追求することはせず、瑕疵担保に関する条項を記載しないこと、負担額は17年確認書で定めた対策を改めて実施した場合の経費として精算払いとしないこと、土地売買については、土壌汚染の処理費用を東京ガスとの協議で別途取り扱うこととし、平成23年3月、石原元知事と岡本前社長名で78億円の費用負担に関する協定書と560億円の土地売買契約書を締結しました。
 しかしながら、私たちは、17年確認書を締結した森澤元市場長に、東京ガスが土壌汚染対策を行えば、都はそれ以上の対策を求めることができない合意だったのかと尋問した所、「何か疑義があれば改めて協議するとの文書で担保を行った」との証言を得ており、東京ガスに追加対策の免責を約束した訳ではないと認識しています。
 一方で、費用負担協定書を結んだ岡田元市場長からは「東京ガス側が追加負担がない限りは協定書を結ぶことができないと述べたことから、主張を受け入れて最終合意を行った」との証言を得ています。浜渦元副知事による交渉時から豊洲の土地を取得することが至上命題であった都として土壌汚染対策、追加負担についても譲歩せざるを得なかったと考えるものです。

 

 

 次に、豊洲市場建物下に盛り土がない問題について述べます。
  平成21年、都の技術会議は、盛り土も含めた586億円の土壌汚染対策工事を都に提言し、石原知事はその内容を盛り込んだ豊洲新市場整備方針を策定しました。
  しかし、市場内部では、豊洲新市場の建物下に地下空間を書き込んだ断面図を作成するなど、盛り土を行わない構想を検討していました。
 平成23年、日建設計との建設工事基本設計打ち合わせにおいて、中央卸売市場の建築ラインが、モニタリング空間の範囲を提案したことから、建物下全体に地下空間が描かれることとなりました。
 市場のトップである岡田元市場長は「建物下が大きく掘り込んであったような記憶が無い」と証言し、中西元市場長も「建物下にモニタリング空間を設ける説明と並行して、同じ新市場整備部から敷地全面に盛り土を行う説明を受けていた。責任を自覚している」と証言したことから、都庁内部のガバナンス機能に問題があると考えます。

 

 

 豊洲市場移転に関して浮かび上がった様々な問題に対して、再発防止策として取り組むべきことを申し述べます。
 石原元知事が週に2、3日しか登庁しない中、濱渦元副知事が所管局を超えて部課長への指示、決定を繰り返し行っていたことや、港湾局が臨海副都心開発事業の立て直しのために築地市場を豊洲へと移転させようとしていたこと、豊洲の土地取得にこだわって不利な交渉での立場を決定付けたこと、中央卸売市場幹部が市場長に報告せずに豊洲市場の建物下に盛り土を行わなかったことなどから、最大の問題点は、都の意思決定における責任の所在が不明瞭であったことだと考えます。状況変化に伴って柔軟な対応を取ることも含めて、都庁内のガバナンス機能を強化することを求めます。
 また、都は、東京ガスの豊洲の土地取得を最優先させたため、都庁全体で東京ガスに損をさせない仕組みを構築し、土壌汚染対策をはじめとして、東京ガスの要請に伴って減価や支援策などによる譲歩や利益供与を実行し、都民に大きな負担をかけてきました。
 都として、東京ガスとの協議の総括を作成するとともに、今後、地方自治体として公平公正な立場で都民に説明できる協議を行うことを求めるものです。
 さらに、都は、東京ガスから、公共施設の土地取得協議として不適切な、情報公開を避けるために口頭で確認を行うことなど、水面下での交渉を受け入れてきました。
 そのため、協議文書が作成されないなど、豊洲市場移転問題に関する記録が欠落していることから、公文書の作成、管理、保存を徹底することを求めます。
 「築地市場の豊洲移転に関する協議事項(確認)」と『「築地市場の豊洲移転に関する東京都と東京ガスの基本合意」にあたっての確認書』を、都と東京ガスの間で締結する際に、公印を使わずにサインで記入し、文書の特定や開示を故意に避けるような手法が行われました。このような手法が横行しないよう、私文書を問わず、都庁内外とのやり取りに使用した文書全てを対象とする、公文書管理条例を制定することを求めます。
 そして、都民が情報公開を求める情報を更に積極的に提供していくなど、都民に説明責任を果たしていくことを求めるものです。
 ここで、本委員会での委員の発言について申し上げます。
 都議会自民党の河野ゆうき委員より、本委員会に提出された資料の信憑性を疑う発言、そして、本委員会の全員一致で出頭を要請した証人に対してその必要性を否定するかのごとくの発言がありました。これらの発言は、本委員会の権威を自ら貶める行為であり、委員自らが猛省すべきものであると申し上げておきます。
 また、桜井浩之委員長の職責放棄によって、20日間も委員会が開会されなかったことは、委員会での審議、真相の追及に多大な悪影響を及ぼしました。
 4月28日に委員長不信任動議が可決されたことは至極当然のことであり、また、本委員会において記録に留めるべき事項であると申し上げておきます。
 東京改革議員団は、本委員会での調査結果及び豊洲市場移転問題特別委員会など他委員会における審議結果を踏まえ、都に追加対策の実施や情報公開の徹底などを求めていくことで、安全・安心な豊洲市場の開場に向けて取り組むことを申し上げて、意見の開陳を終えます。

 

 

 


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