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定例会報告

平成17年 第2回定例会


柿沢未途(江東区選出)
●平成17(2005)年6月7日

討  論

柿沢 未途
(かきざわ みと 江東区選出)



*本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。正確には議事録をご参照ください。

 私は、都議会民主党を代表して、のちほど追加日程として提案される「社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会」報告書、及び同委員会の調査を終了することについて反対。第百五十一号議案「東京都勢条例の一部を改正する条例」の一部を改正する条例について、副知事・出納長・教育長選任同意の件、その他、知事提案のすべての議案について賛成の立場から討論を行います。

 この第二回定例会は、第16期東京都議会の最後となる議会です。しかしながら、異常事態の中での議会の閉幕となった感は否めません。言うまでもなく、浜渦副知事の更迭に至る一連の事態があったからです。
 都議会に35年ぶりに設置された、社会福祉法人東京都社会福祉事業団による東京都社会福祉総合学院の運営等に関する調査特別委員会、いわゆる百条委員会は、本定例会の開会に先立ち、百条委員会の証人尋問における浜渦副知事の証言を「偽証」であると認定しました。そして偽証罪での刑事告発をカードとして、浜渦更迭を石原知事に迫り、ついにそれを認めさせたのであります。

 その結果として、浜渦副知事、そして福永副知事、横山教育長、櫻井出納長が辞職することとなりました。また同時に辞職する横山教育長を副知事とし、さらに関谷産業労働局長を副知事に昇格させ、教育長には中村危機管理監を、出納長には幸田福祉保健局長を充てる特別職人事案が提案をされています。
 このうち福永副知事、横山教育長、さらに大塚副知事については、これに先立って、「都政の混乱の責任を取りたい」として、石原知事に辞表を提出しています。竹花副知事を除く特別職全員が辞表を提出するか、辞職に追い込まれるという前代未聞の異常事態となったのであります。
 特別職3人が辞表を出すという事態の裏側には、都議会の有力議員の理事者側への働きかけがあったと言われています。そうした議会側の働きかけに応じる形で特別職が辞表を書いたという話を私たちも聞いています。もしこれが事実だとするなら、議会から執行機関側への重大な政治介入というべきであり、浜渦副知事の議会への働きかけを云々する資格などありません。

 さらに言えば、強引な「偽証」認定こそ行ったものの、浜渦副知事の「やらせ質問」に関する立証も十分とは言えません。わが会派の名取幹事長の証言によれば、わが会派がこの問題に取り組む端緒となったのは、浜渦副知事の働きかけというより、むしろ石原知事からの問題提起だったことが明らかになっています。石原知事も記者会見でそのことを認めており、この点について、十分な検証がなされたとは言えません。
 5月12日の百条委員会において浜渦副知事の「偽証」を認定した後、「事実と違う」として、浜渦副知事本人から陳述書が提出されていますが、これについても、まったく内容が検討されないまま、今回、百条委員会の調査終了に立ち至っています。このように、すべての材料を検討しないまま、多数派に都合のいい事実だけをつなぎ合わせて、それをもって人を断罪するのは公正なやり方とは言えないと考えます。
 百条委員会への対応が不誠実だったとして、問責決議を受けた櫻井出納長にしても同じです。櫻井出納長が石原知事に対して捏造された疑惑を吹き込んだ日とされる2月24日の出納長の公用車の運転記録にある「同乗者1名」について、その氏名を明かさなかったことが、問責決議の大きな理由になっています。その公用車の行き先が杉並区であったことから、杉並区在住の浜渦副知事が同乗者であったかのように言われておりますが、私たちの調査によれば、その同乗者というのは、浜渦副知事ではなく、まったく別の人物であることが明らかになっています。こうした事実の検証もなく、問責決議を行うことが、はたして適正な議会の権能の行使と言えるのでしょうか、疑問と言わざるを得ません。

 そもそもこの百条委員会は、特定の個人を糾弾し、断罪するために設置された委員会ではありません。社会福祉総合学院の運営等に関して、違法、不法、あるいは不適正な点はないか、そのことを調査するために設置されたものです。
 浜渦副知事の「やらせ質問」云々に関しては、百条委員会の調査項目の1から5に該当するものはなく、わずかに調査項目6の「その他調査に必要な事項」に該当するとされていますが、これは調査項目の1から5に付随するものであり、そこまで対象を広げるのには無理があります。
 このように委員会の恣意的な判断で、議会の議決とは異なる調査事項を調査の対象とすることは、委員会の越権行為であります。
 にもかかわらず百条委員会の議論は、浜渦副知事の「やらせ質問」追及に終始し、さらにその立証を目的として、わが会派の富田議員の証人出頭まで求めてきました。そして「社会福祉総合学院の運営等と何ら関わりがない」ことを理由として、出頭要請に応じないと、富田議員は刑事告発相当であるとの議決まで行いました。
 一体、何のために設置された百条委員会だったのか、浜渦副知事を追い落とし、返す刀で民主党議員を吊るし上げようという、そうした政治的な意図をもった委員会であったのかと勘ぐらざるを得ません。

 私たち都議会民主党が百条委員会の議論の本筋であると考えてきた、社会福祉総合学院の施設の利用状況が都民の目から見て適正な実態であるのかどうか。それについては、最後まで、ほとんど触れられないままです。
 そもそも平成16年度の包括外部監査の報告書における指摘がすべてのきっかけとなっているにもかかわらず、いまだにその包括外部監査を行なった公認会計士から、一度も話を聞いていないのです。私たちは百条委員会の最初から、まず包括外部監査人から話を聞くべきだと主張してきましたが、委員会の多数派は、まるで不都合でもあるかのように、そのことを拒み続けてきました。
 社会福祉総合学院の施設の90%以上が、いや委託部分を含めると100%近くが、特定の学校法人の施設として使用されている実態、そしてそれに対して都が総額21億円もの補助金を支出している実態、包括外部監査でも指摘をされたこうした実態が、都民の目から見て、はたして適正なものと言えるのか、非常に疑問です。
 また事業団と学校法人との間の5年の定期建物賃貸借契約についても、定期建物賃貸借契約として有効に成立していると断言するのには無理があります。
 仮に、形式的な契約成立を認めたとしても、実態はそのような状況にはなく、これが争いになり裁判となった場合、勝訴の見込みはありません。
こうした疑問に対して詳細な検討がなされないまま、浜渦副知事を辞職に追い込んだことをもって、百条委員会は、その幕を閉じようとしています。まことに本末転倒と言わざるを得ません。
 議会と知事、そして官僚機構を巻き込んだ都庁内の「コップの中の嵐」を、都民は冷ややかな目で見ています。

 都民不在の権力闘争にあけくれる都政の現状を見て、私たちは、さらなる改革を目指し、それを来期において実現するために、来たる都議会選挙において、全力をもって闘い抜くことを都民の皆様に誓いまして、都議会民主党の討論を終わります。